【レポート】現代日本画専門「郷さくら美術館」。雨の中目黒でも、満開の桜を心ゆくまで愉しめる場所。

Share
【レポート】現代日本画専門「郷さくら美術館」。雨の中目黒でも、満開の桜を心ゆくまで愉しめる場所。
Photo by Jenna Neal / Unsplash

桜の名所として知られる中目黒。目黒川の喧騒から少し離れた場所に、1,100枚もの美濃焼きタイルに覆われたモダンな建物があります。2012年にオープンした現代日本画の専門美術館「郷さくら美術館」では、年間を通して満開の桜を眺めることができます。

2012年にオープンした郷さくら美術館。

一年中、桜に酔いしれる「桜百景」展

季節ごとにさまざまな企画展が開催される一方で、年間を通じて桜の日本画を鑑賞できるのが、この美術館の大きな特徴です。現在は「桜百景 vol.42」が開催されています。

会場内では、展示されている作品が全国どの都道府県の桜をモチーフにしているかをパネルで確認でき、全国の桜のお花見を楽しめる趣向になっています。1階に展示されている大木の桜を描いた大型作品は、お土産コーナーでポストカードとしても販売されており、旅の思い出にぴったりです。

1階では「桜百景 vo.42」が開催中。
桜百景展では、今、どの都道府県の桜が展示してあるのかパネルで確認できます。

若き才能が咲き誇る「桜花賞展」(5月10日まで)

開館と同時に創設された、若手作家を応援するための「桜花賞」。一般公募ではなく、今後活躍が期待される作家に制作を依頼し、出品作はすべて美術館が買い上げるという、作家への深い敬意が込められた賞です。1階の奥には、歴代の大賞作品が初代からずらりと並び、その光景はまさに壮観です。

1階に展示されている過去の大賞作品。

個人的な一押し:松原亜実《春麗》(2019年大賞)

2019年に大賞を受賞した松原亜実さんの《春麗》は、大変見応えがありました。満月の光に照らされ、夜に咲き乱れる桜の花びらが薄く透き通るような表現は、いつまでも眺めていたくなる美しさです。

松原亜実《春麗》2019年

2026年 大賞作品:森花《高鳴り》

大賞を受賞した森花さんの《高鳴り》は、富山県・小矢部川の桜並木を描いた一作。手前に大きく描かれた桜の向こう岸には、暖色の提灯が楽しげに並び、桜を愛でる人々の和やかな賑わいが伝わってきます。

桜花賞・大賞 森花《高鳴り》2026年
桜花賞・大賞 森花《高鳴り》。 近寄ってみると、対岸の様子が細かく描かれているのが分かります。

2026年 優秀賞:齋藤晴香《春日》

愛知県・東谷山のヤエシダレザクラを取材した作品です。作家さんによれば、こちらの桜は4月中旬が見頃だそうです。花びら一枚一枚に施された繊細なグラデーションが、日本画ならではの質感で表現されています。

桜花賞・優秀賞 齋藤晴香《春日》2026年
桜花賞・優秀賞 齋藤晴香《春日》2026年。ピンクの濃淡がきれいで、うっとりします。

3階 休憩スペース「さくら之間」

鑑賞の合間に立ち寄りたいのが、3階の無料休憩スペース「さくら之間」です。ここには、日本画の顔料(岩絵具)や道具を紹介するコーナーも設けられています。

日本画の詳細については、公式サイトの解説ページが非常に分かりやすく参考になります。

作家が独自に取材し、それぞれの感性で描いた桜は大変見応えがあります。
▪️施設概要
開館時間 10:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:月曜日
入館料:一般800円、大学生・高校生300円、中学生以下無料
 住所:〒153-0051 東京都目黒区上目黒1丁目7−13

30〜40分ほどで鑑賞できるコンパクトな美術館ですが、年間を通していつでも満開の桜に出会える場所として、非常に人気を集めています。


※諸般の事情により、1日遅れての配信となりますこと、何卒ご容赦ください。

Read more

【事前準備】東博のおすすめ作品の見つけ方 4ステップ

【事前準備】東博のおすすめ作品の見つけ方 4ステップ

先日の「東博研修」に参加された方からいただいた、ご質問と回答をシェアいたします。東京国立博物館へ行く前の準備にぜひお役立てください! Q. 東博の見どころを事前に知るにはどうしたらいいですか? A. 東博のホームページを活用するのがおすすめです。担当の学芸員が「おすすめ」マークをつけてくださっています。そこをチェックしておくと、各展示室の見どころを押さえることができます。 1.東博の「本館 展示ページ」をこちらから開く 2.画面を下にスクロールし、フロアと展示室を選択 3.「展示作品リストへ」をクリック 気になる展示室のページ内にある「展示作品リストへ」をクリックします。 4.マークを確認する リストの中から緑色のマークの「おすすめ」や「国宝・重要文化財」の印がついている項目をチェックします。全ての「おすすめ」をチェックするのも、大変なので、1つの展示室の中で、さらに1〜2の作品に絞って準備をします。 事前に「おすすめの作品」を確認しておくだけで、見逃しを防げて、お目当ての作品をスムーズに回ることができそうです。また、美術館ツアーをスタートする前に「

By Emi Kawashima
【現地レポ】都会の喧騒を忘れる、大正ロマンの意匠。代官山に佇む「旧朝倉家住宅」へ

【現地レポ】都会の喧騒を忘れる、大正ロマンの意匠。代官山に佇む「旧朝倉家住宅」へ

トレンドの発信地・代官山にありながら、一歩足を踏み入れればそこは100年前の静謐な空間。重要文化財「旧朝倉家住宅」の現地レポートをお届けします。 朝倉家はもともと甲州武田家の家臣で、江戸時代に代官山へ移住し、農家として米の生産に従事していました。幕末からは精米業を営んでいましたが、戦時中に米が配給制になったことを機に廃業し、不動産業へと転向。近隣に位置するお馴染みの複合施設「ヒルサイドテラス」も、同家が手がけた開発の一つです。 旧朝倉家住宅は、政治家として活躍した朝倉寅治郎により大正8(1919)年に建てられた、大正期を代表する和風建築です。1947年に競馬や乗馬を運営する「中央馬事会」へと売却された後、国へと譲渡され、現在は国有財産(渋谷区管理)となっています。 施主である寅治郎が多くの賓客を迎え入れたこの邸宅は、接客用の座敷や使用人室など、部屋数が多いのが特徴です。伝統的な書院造からモダンな洋風スタイルまで、大正時代ならではの和洋折衷の美しいデザインを随所に楽しむことができます。 広大な庭園を彩るのは、約150本ものモミジ。秋を迎えると一斉に色づき、格段の美しさを見せるとい

By Emi Kawashima
【ガイド募集】インバウンド向け街歩きツアー「MACHI TOUR JAPAN」

【ガイド募集】インバウンド向け街歩きツアー「MACHI TOUR JAPAN」

ツアー増加および業務拡大に伴い、MACHI TOUR JAPANでは、美術館や市場のツアーを担当していただけるガイド仲間を若干名募集いたします。 ■ 募集要項 * 内容: 美術館ツアー、市場ツアーのガイド業務 * 給与: 時給 5,000円〜 * 対象: 東京都内近郊にお住まいの方を優先 (※市場ツアーは早朝スタートとなるため) * 応募期間: 本日から10日間(7月7日〜7月17日まで) * 条件:TOEIC850以上、英検準一級以上。通訳案内士の資格なしでもOK。 * 選考:書類及び面談など。 ▼ ご応募はこちらからhttps://forms.gle/PULFeeHBAkRJtNQ59 現在、数時間の街歩きツアーを企画しておりますが、今後、様々なツアーを企画していく予定です。 皆様のご応募をお待ちしております。 お問い合わせは、info@machitour.jpまで。

By Emi Kawashima
【現地レポ】江之浦測候所へ行く前に知っておきたい、スムーズに巡るためのポイント

【現地レポ】江之浦測候所へ行く前に知っておきたい、スムーズに巡るためのポイント

一度行ってみたいけれど、実際どんな場所なんだろう?そんな疑問をお持ちの「江之浦測候所ビギナー」の皆様へ。今回は、まだ一度も行ったことがない方に向けて、現地の様子がひと目でわかる写真付きレポートをお届けします。行く前のシミュレーションとして、現地の雰囲気をお楽しみください。 1.事前にチケットと無料バスを予約をする チケット(3300円)を事前にインターネットで予約する必要があります。予約時に無料のバスも予約可能です。セブンイレブンで発券する必要がありますが、発券を忘れても当日スマホで予約の履歴を見せると入場できます。 駐車場もありますので、車でも行けます。 2.9:45の無料バスに間に合うために8:00に東京駅発のJR東海道線を利用 東京駅のJR東海道線、8:00発に乗りますと根府川(ねぶかわ)駅に9:34に到着。約1時間半かかります。※無料バスは、午前の部は、 9:45/10:05/10:35 午後の部は、13:15/13:40/14:00がございます。 3.9:45 無料バスに乗る

By Emi Kawashima